担当教員:柳澤 潤准教授、粕谷 淳司准教授
非常勤講師:手嶋 保
助手:Yap Minwei
TA:関 拓海(M2)
2022.11.18(金)第一課題の最終講評会が行われました。提出物は1/20模型、1/20配置図・平面図・立面図・断面図、1/5断面詳細図です。学生の作品を1つずつ紹介します。

荒川百花さん(↑の写真)
土間から庭へ連続し、部屋同士の仕切りがない一体となった建築の提案。屋根の傾きが空間と空間を俄かに分節する案。
講評
・図面の完成度はこのスタジオで過去1番
・ハイサイドライトに固執したことによって、屋根が大袈裟なプロポーションになってしまった。
・最終的なプロポーションがどういったものを目指していたのかというのを考えながら行うと、プランニングで変わっていく過程の中でも強い意志を持って作れる。

黒柳静希くん(↑の写真)
外の石畳が内部まで連続し、庭を眺めながら軒下で朝食をとるなど、内外を連続したものとして捉えようとした案。
講評
・開口部の設計がまだ足りてない。
・箱の中で収まってしまっている。
・天井をフラットにしたことで、壁の高さが自由になったのにも関わらず高くなってしまっている。

陳家楡くん(↑の写真)
南北の庭を結ぶサンルームのようなダイニングが各部屋を結ぶ、左右対称の形となる建築の提案。
講評
・庭への開口部がもっと大きくて良いのでは。
・模型を完成させてほしかった。

村瀬巧くん(↑の写真)
グリッドで構成された平面プランであり、東西、南北でそれぞれ異なる仕上げの壁で構成された案。
講評
・形式が優先されてしまって、柱が生活部分に降りてきてしまっている。
・構造とプランが一致していない。
・概念としての4つの壁は、図面上で他の壁との差異が表現としても実際の図面としても必要。

村田錬太郎くん(↑の写真)
葉山ならではの外でのアクティビティーが建築の構成に現れ、様々な居場所を生み出す分塔案。
講評
・図面の細部まで設計が進んでないのではないか。
・外部の家具スケールによる二次的な生活の連関が想像できない。
全体講評では、図面の精度や提案はDSⅡの住宅課題で過去のスタジオと比べてもっともよくできているとのことでした。それゆえにたくさんの厳しい指摘もありましたが、それはすべて作品がまだまだ良くなるとの思いで講評をしているとのことです。履修生のみなさん決して落ち込まず、むしろこれだけの詳細図面が描けることに自信をもってほしいです。

6年続いた手嶋保先生による大学院デザインスタジオⅡ住宅課題が、今年で最後になりました。修士1年生で改めて住宅設計に多くの学生が挑戦してきましたが、楽しくも奥が深く、建築家である手嶋先生自身も一緒に考えてスタジオを進めている姿が常に印象的でした。毎年学生を自身の作品に連れていってくださり、家具レベルの詳細な視点で設計がなされる手嶋イズムを間近で学びました。ここで学んだ多くの学生が社会に出て、いつか再び手嶋先生にお会いできることを楽しみにしています。手嶋先生、本当にありがとうございました。
TA:関拓海