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第7回 最終講評〈デザインスタジオⅡ〉

担当:柳澤潤准教授、粕谷淳司准教授

非常勤講師:手嶋保(建築家)

助手:Yap Minwei

TA:高桑健(M2)


2021年11月19日(金)「デザインスタジオⅡ」第7週目の授業が行われました。今回は最終講評が行われました。提出物は1/20模型、1/20配置図・平面図・立面図・断面図、1/5断面詳細図になります。学生の作品を1つずつ紹介します。


井川日生李

南北に伸びる強い壁を住宅の真ん中に配置することで構造的に周囲の壁が自由になり、居場所に多様性を与える案。

講評

・真ん中の壁が閉じすぎている。壁を通した関係性の作り方に工夫が必要

・構造を中心に強く持たせて周囲は建具による空間構成もありえた

・壁があることで建築の領域が広がっていくような提案になっていくと良い


関 拓海

名前のつけにくい室名のある家。1つのテーブルの上で食事や仕事をする。天気の良い日は窓際でリモート会議を行うなど、過ごし方にとらわれない事を目指した案。

講評

・建築だけで完結しており、外部との繋がりがないのでは

・家具はこうであって欲しいという考えまで行きついていない

・暮らす人の生活を考えられたプランである。完成度は高い

長橋 佳穂

 1つの住宅の中に移動する楽しみを持たせる。構成的に作らないことでわざとズレを生み、開放されたプランとした案。

講評

・道路側の庭、反対にある大きな庭や両親の家側にある腰壁など周囲のデザインに対する意識がある

・自由なプランを可能にする構造をしっかり成立させるべき

・体感的に捉えて設計しても良かったのでは



馬場 夏月

 誰かと暮らす時に距離が必要。正方形プランを用いて機能を端に寄せることで家全体が居間のようであり寝室であるような自由が付与される案。

講評

・正方形は竪穴住居から通じる原初的な形だからこそ脱却した案もあったのでは

・中央の4つの柱の位置がプラン的に的確かどうか

・柱を建てることで磁気を帯びるように周りの空間を纏う



森 貴一朗

 住宅に公共性を取り入れる。各ボリュームをずらし雁行プランとすることでずるずると奥に生活が続いていくような案

講評

・手前の土間のように開放できるところを全体に作り、水回りなど守る所は守れるようにする案もあったのでは

・この敷地に対して雁行プランはいい配置

・周辺に空間を与えながら伸びていくプランを活かした豊かな提案が必要だった


最終成果物が出てきたことで密度の高い議論が出来ました。学生の案が図面によって具体的になったことで1人の建築家を評価するように厳しいご指摘もありました。課題のテーマである「建築家手嶋保の設計手法に学ぶ」「これからの新しい暮らし」の2つに対してどのように応えてきたのかが主な評価軸になりました。


手嶋講師からは1人ずつコメントを頂きました。


井川くん

・頂いたアドバイスをまとめて、さらにブラッシュアップすること


関くん

・完成度は高い。ベーシックな住宅を作ることの到達点はとても良い


長橋さん

・作品性が高く、情熱は伝わってくる。建築としての構造と設備などを踏まえて完成度を上げていって欲しい


馬場さん

・正方形プランはとても難しいチャレンジ。これからも自分のテーマとして捉えて考えていって欲しい


森くん

・1週間での伸びが足りない。雁行プランの可能性、敷地のポテンシャルに対応して変化してくるはず


全体には

事例研究が足りない。基礎的な知識を積むこと。思いつきをアイデアのように語らな

い為に先人の作品を勉強して欲しい。

と丁寧にお言葉を頂きました。

今まで考えたことのないくらい住宅のディテールを考えた授業になったと思います。初めてのことだらけで苦労した事もあると思いますが、それ以上に建築に対する理解が進んだと思います。手嶋講師から学んだことを続けて次の課題にも活かして欲しいと思います。


7週間お疲れ様でした!


TA:高桑

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